見出し画像

「スーパーマンじゃない」と自覚したエンジニアが、ふりかえりの習慣で着実に成長した話

「自分は思ったようになんでも実践できるスーパーマンのような人間ではありません。だからこそ地に足をつけて、地道に一つひとつ積み上げるエンジニアであろうと思っています」

そう語るのは、2019年に中途入社した浅田省吾さんです。
フィードフォースに入社した当初、十分に力を発揮できず焦っていたという浅田さん。そうした状況を打破すべく浅田さんが取り組んだのは、「ふりかえりとカイゼン」でした。

「自分が書いたコードがリリースされない……」能力不足を感じて焦りばかりが膨らんだ

――フィードフォース入社当初、なかなか力が発揮できずに焦っていたと聞きました。当時、どんな状況だったんでしょうか。

浅田 入社当初は、開発力や実装能力が足りないと思わされることが多くありました。前職では上から言われたとおりに実装することが多く、エンジニア同士でコードの善し悪しをレビューする機会はありませんでした。

ですが、フィードフォースではレビューをしっかりする文化があります。そのレビューの場で、自分の能力不足を実感したんです。

入社してしばらくの間は、レビューの合意が取れずに自分が書いたコードがリリースされないことが続いてしまい、焦りの気持ちばかり大きくなっていきました。この会社で、自分は果たして役に立てるんだろうか、メンバーとの差を縮めていけるのかと、とにかく不安でしたね。

「地に足をつけて、できることを増やしていこう」ふりかえりとカイゼンに着手

――そんな状況を乗り越える転機となったのは?

浅田 当時1on1をしてくれていた先輩エンジニアから、「地に足をつけて、少しずつできることを増やしていこう」と声をかけられたことです。
そこで、ふりかえりとカイゼンに取り組むことにしました。

まずやったのは、「KPT」というふりかえり手法です。
1週間単位で、これからも続けていきたい良かったこと(Keep)、課題に感じたこと(Problem)、次に試したいこと(Try)をふせんに書き、チームで共有・検討するんです。

――KPTでのふりかえりを、どう業務に活かしたんでしょうか?

浅田 例えば、あるとき Try で挙げて実行したのがインシデントレポートの作成です。わたしはもともとライティングが苦手で、読み手を意識した文章をどう書けばいけばいいか悩んでいました。

読み手を意識した文章を書くことは、エンジニアにとってとても大切なことだとわかっていながら、苦手さゆえにレポートを書くことから逃げていたんです。でも、それでは苦手なことがますます苦手になってしまう。
そんな危機感があって、「わたしがインシデントレポートを書きます」とチームに宣言しました。

そんなふうに、ひとつずつできることを増やして成功体験を積み上げていきました。

力量に合わせた適切な目標を設けて、成功体験を地道に積み上げる

――ふりかえりとカイゼンを重ねるうえで、どんなことを意識しましたか?

浅田 自分の力量に合わせた、正しい目標を設けることですね。
というのも、以前は「とにかく早く成長しなければ」という焦りの気持ちで高い目標を設けて、失敗してしまったことがあるんです。

例えば入社したての頃、「要件を聞いただけで実装イメージが浮かぶようになる」という目標を掲げたことがありました。
機能の要件を聞いただけで、新しいコードの追加や既存コードの影響範囲をイメージできるようになりたくて。ですが、全体の処理の流れもあいまいなままだったので、いきなりこの目標は無理があったんです。

無理めな難易度だったとはいえ、自分で立てた目標を達成できずに気分が落ち込んでしまいました。

それからは、自分の力量に合わせた目標を立てるようになりました。
「要件を聞いただけで実装イメージが浮かぶ」はいきなりは無理だから、まずは「サービスの全体像をイメージできるようにしよう」など、達成イメージがわく適切な難易度の目標を立てることにしたんです。

適切な難易度の目標を設定することで、少しずつできることが増え、結果的に成長できたと思います。また何より、自分で立てた目標を達成できた充実感がありました。

趣味のテニスでも「ふりかえり」を導入して大会優勝……?

――そういったふりかえりとカイゼンの習慣はどのように身につけたんですか?

浅田 フィードフォースに入社してから少しずつ身につきました。わたしが入社したころには、チームでふりかえりをする文化がすでに根づいていたんです。1週間単位でのふりかえりとカイゼンが日常的に行われているので、自分にも自然とその習慣が身についていきました。

こうして身についたふりかえりの習慣を、趣味のテニスでも活かすようになりました。

――テニスにもふりかえりを活かしてるんですか?!

浅田 はい。例えばテニスではサーブを2回打つんですが、自分はファーストサーブの成功率が低く、50%を切るくらいでした。
そこで、ファーストサーブの成功率を高めるという課題を設定して、「強い人たちに共通すること」を一つひとつ試していきました。その結果、いまでは成功率が60%を超えるほどになったんです。

試合でも、「失点しやすいパターン」「得点しやすいパターン」を振り返って、失点しやすいパターンはカイゼンする、得点しやすいパターンは再現性を高める練習をして、2022年度の大会では優勝することができました!

――すごい。ふりかえりとカイゼンが私生活にも浸透していますね。

浅田 仕事で得たふりかえりの手法を私生活でも活かして、私生活で培った経験をまた仕事で活かして……といった循環が生まれています。仕事と私生活は密接につながっているので、相互がいい関係になると人生も楽しいですね。

ビジネス視点を身につけてチームに貢献したい

——最後に、浅田さんの今後のキャリア目標を聞かせてください。

浅田 エンジニア視点だけでなくビジネス側の視点も持って、チームに貢献できるようになりたいです。

ただ言われたものを作るだけでなく、その機能は本当に必要なのか・開発以外の選択肢を見落としていないか、などをエンジニアとして考える。
良いサービスを運営していくチームのメンバーとして、開発とビジネスのハブとなる役割を担えたらと思っています。

(インタビュー・文:宮原 智子

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!

Twitterで毎日情報発信しています。ぜひフォローしてみてください。