積極的な情報共有の先には全体最適化!?チーム、ファーストにつながるアウトプットとは?
こんにちは!フィードフォース、新入社員の川井悠高です。
今回は、フィードフォースで複数のプロダクトを横断的に活躍されている、「ますたかさん」こと増田貴士さんにお話を伺いました。フィードフォースで積極的に情報共有されていることについて、そのコツや心がけていることについてお聞きしました。
フィードフォース入社まで
──本日はよろしくお願いします!2014年にフィードフォースへ中途入社されたと伺いましたが、それまでの経歴を教えてください
はい、2000年に大学院を卒業し、組み込み系の受託会社に新卒で入社しました。そこで、マルチファンクションプリンタのファームウェアの開発と保守などをやっていました。
2011年にオンライン英会話のスタートアップにエンジニアとしてジョインし、2013年に退職。
そして、2014年にフィードフォースへ入社しました。
──元々、学生時代からプログラミングなどはされていたのでしょうか?
いえ、大学に入ってから初めてのパソコンを買って、当時はちょうどWindows 95が出たときなんです。それで、当時はプログラミングはそこまでしていませんでした。ただ、触ったり弄ったりするのは自分に合っているなと感じていました。
大学院の方では、農芸化学を専攻して除草剤の研究をしていたのですが、実験とか結構難しいんですよね。生き物が対象なので、経験を積んでいないと中々再現性を出せなくて。その点、コンピュータだったら同じデータを入れたら同じ結果が出てくるので、自分にはそっちの方が合ってるなと感じました。
──それでは本格的にプログラミングを始めたのは就職されてからなんですね
はい、入社してからプログラミング研修があり、仕事を通して実践で覚えていきました。
──10年働いた会社から、オンライン英会話のスタートアップにジョインされたということですが
そうですね、ちょうど今から10年前の話ですね。そのころは、個人的にジム通いやオンライン英会話を始めた頃でやる気に満ち溢れていましたね(笑)。
当時、これからの10年をどう働いていくかを考えていたんですが、このままこの会社で管理職になるより、何かに挑戦したいなと思いました。
その頃、友人がオンライン英会話のスタートアップを立ち上げたので、面白そうだと思い、無謀にも社員第1号としてジョインしました。
──社員第1号だったんですね!
そうですね、3人で創業して、自分が4人目でした。
会社は、一軒家を事務所として借りて、1階のダイニングキッチンをオフィスにして、2階の部屋に私ともうひとりが住み込む。ということをしてました。
──いかにもスタートアップという感じで良いですね!
そうですね、オフィスには生ハムの原木が置いてあったり、社員で食卓を囲んで開発したりとおもしろい経験でした。
──生ハムの原木!(笑)スタートアップ特有のカジュアルな雰囲気が伝わってきます
みなさんも一回くらい経験したらいいんじゃないですか。私はもうお腹いっぱいなのでいいですが(笑)。
──そうですね!スタートアップなので相応の大変さはあると思いますが、お話を聞くと楽しそうだと感じました。ありがとうございます
情報共有について
──ますたかさんは、esa*などに頻繁に情報共有されているように見受けられます。それはやはりスタートアップで培ったものでしょうか?
そうですね、もちろんスタートアップの時もやっていましたが、それよりも1社目での経験が大きいです。
当時は会社の本業とは別に社内ネットワークの管理者もやっていて、100台ほどのクライアントマシンを繋げるネットワークのメンテナンスも行っていました。
ただ、そういう業務を属人化させたくなかったので、それを避けるためにドキュメントを書き残すということをやっていました。
当時は同期がサーバーを立てて社内Wiki**を構築していたので、そこに集約させていました。
──そうなんですね、ソフトウェアの開発だけでなくシステムの管理まで、幅広くされていたんですね
そうはいっても、浅いですよ(笑)。浅く、広くです。
──これまでにも、ますたかさんの書かれたドキュメントをいくつか参考にさせていただいたのですが、社外に公開されていてもおかしくないと思う情報の深さだと感じました
そうですか。たしかに、自分は結構やりきると言いますか、ある程度まで調べないと気が済まないタイプなので、記事によっては深くなっているかもしれないです。
ただ、最初から深く書こうと意識しているわけではなく、文章を書いていると曖昧な部分や矛盾がでてくるので、その度に調べて書いて、を繰り返していたら最終的にそんな記事が出来てるという感じです。
結果論ですが「書いてるから詳しくなる。」ということはあると思います。
──まさに、アウトプットのためのインプットということですね
ブログやnoteでも同じだと思いますが、アウトプットするにはその2倍3倍のインプットをしないといけないと思います。そうしたインプット・アウトプットを続けることで、脳内の情報の曖昧性が排除されて、知識を深めることも出来ますし、文章としてドキュメントに残せば、そのことについては忘れてしまってもいんですね。それで、また次のこと取り組むことができる。
──第二の脳、じゃないですけど文章として残すことで外部メモリのような扱いに出来るんですね。
──以前、ますたかさんとお話させていただいたたときに、情報共有をする中で、意識していることとして”全体最適化”という風に仰っていましたが、そのことについて詳しく伺ってもいいですか?
例えば、今すでにある制度だったり構造の中で「なにかを改善できた。」というハックができたとして、それを他に共有しなかったら、自分だけが良くなってしまって、逆にそこで生まれるギャップによって悪影響を及ぼしたり、ということも起こりうるので、そういうのはあまり好きじゃないんですね。
それだったら、「制度自体をこういう風に変えていこう」と提案したり、同じような運用をしている人に「改善の方法はある」という情報へアクセスできる状況をつくることは必要なんじゃないかと考えています。
実際によくあるのは「制度自体をこうしたらいい」と自分は思っているんだけど、蓋を開けてみたら他の人の事情が重なってこの制度になっている、ということですね。
また、自分はAという手法でやろうとしていたけど、他の人の話を聞いてみたらA’という手法が生まれたりして。情報共有を早めにすることで、いつか起きてた問題を早いうちから摘むことが出来たり、より良い手法を見つけることができる、というのはあると思います。
──そうやって提案をして、他の意見も取り入れてブラッシュアップして、ということを行っていくんですね
ただ、他の意見を聞きすぎると、何も残らなくなるので、元の意見とのバランスを考慮することは大事ですけどね。
それと、”全体最適化”につながる。といえば、文章として残しておくと、後日、同じ問題にぶつかった人がいたときに、ドキュメントのURLを渡すだけで済むので、そうやって未来の自分を楽にする。ということもありますね。
──そういうところまで想定されているんですね
──私はいままで、自分の頭の中で解決してしまうと、それで満足してしまっていました。それでも、最近は形として残したほうがいいんじゃないかな。と思っていたので、大変参考になります
これは、結果論的な後付けになるんですけど、趣味プログラマはコードを書いてできたら終わり、なんですよ。
──まさに私ですね
プロの...というか、職業エンジニアは職務上で”再現性”が求められるんですね。ひとつの手順があるとして、それをなぞれば同じことが出来るということが大事なんです。
その手順を自分で作り出すことは深い理解に繋がりますし、文章として残しておけば再度引き出すこともできる。
また、一個だけではなく、何個もの事象に対して参考にできるドキュメントを書くには、再現性と汎用性が求められるので、その手順の本質を捉えることも重要だと思います。
──なるほど。たしかに、誰かに何かを教える時に「自分は〇〇なときにこうしたらいけたよ」というあくまで過去の事例しか言えず、汎用的な回答ができないということはよくあるかもしれません
個々の物事に対するアドバイスは具体的で、本質というものは抽象的です。自分でも、抽象的なものを書くのは難しいと思っていて、そのためには参考にするサンプルが足りないということがよくあります。
ですので、それまでは回数こなして、夜よく寝て頭を整理することで、これ(本質)だなというのを見つける。
そういうことを繰り返している気がします。
──そのプロセスでは、何かに書き留めているんですか?
そうですね、テキストファイルで残しています。常にエディタを起動してあるので、ちょっとづつ書きながら後から足してを繰り返していく感じです。
──自分は文章を書き始めるとき、まずはどんな体裁で書くか・・・と悩んでしまって、書き始められないということがよくあります。後から付け足すことも前提で、とりあえず書く。というのが重要なのかもしれないですね。えいやの精神でまずはやってみようと思います!ありがとうございました。
若手へのメッセージ
──最後に、以前新卒社員へのアドバイスで「年長者を使い倒してください」と仰っていましたが、こちらについて聞かせていただきます。
はい、是非使い倒してください!
──こんなこと直接言うのもなんですが、使えるものなら使いたい(笑)。ただ、どう使ったらいいのか、正直なところわからない。というのが本音です。
何かやりたいことがあるけど、方法がわからない。とか、自分にこんな権限があったらできるのに・・・という風な聞き方ですかね。
私が若手と関わる上で気をつけているのは「若者の邪魔をしてはいけない」ということです。
色々と間違いや失敗をすることはあると思うんですが、”行動する”ことが一番大事なので、それだけは絶対に邪魔をしないようにしています。
むしろ行動したいのだったら、それを支援してあげようと思っています。
──ありがとうございます!積極的に動いていきますね!
もちろん、明らかに危ないことは止めますよ(笑)。
軽微なことは、どんどんトライして失敗したら良いと思います。そうしたら、失敗しない方法がわかると思うので。
──私は今の時代の特徴として「調べたらわかる」というものがあると思います。インターネットで調べたら大体のことはわかってしまうので、逆に失敗する理由がないな。と感じたりします。それは、今を生きるデジタルネイティブだからこその生きづらさのような気もしていて、「情報がないから失敗しました」という理由が使えない。そこは難しいなと思います
体験すること。それを言語化すること。またそれを文章化すること。って、どんどん情報量が減っていくことだと思います。
インターネットで調べて出る情報は既に削ぎ落とされたものなので、体験することによる情報量の多さは、この時代でも貴重だと思います。
──とても自信が湧きました。以上でインタビューは終了です。ありがとうございました!
以上、ますたかさんへのインタビューでした。
積極的な情報共有のプロセスから、それらが生むメリット。また、若手社員へのメッセージまでお聞きすることが出来ました。
私達は、このDNAを残しつつ、もっとより良い形へカイゼンを加えながら挑戦していくことで期待に応えたいと思いました。
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