えーちゃんさんインタビュー記事_アイキャッチ

社内唯一の認定スクラムマスターに聞く!豊かに働くための「ふりかえり」活用術とは

こんにちは!2019年4月に入社したばかりの、新卒1年目の大西です。
フィードフォースでは、入社後4月から6月にかけて、およそ2ヵ月間の研修期間が用意されています。
社会人基礎からツール活用まで、研修プログラムは多岐にわたるのですが…中でも最も印象的だったのが「ふりかえりフレームワーク研修」というものでした。
おそらく「ふりかえり」の研修というもの自体、あまり一般的なものではないのではないでしょうか(私も最初は『社会人でふりかえりの研修?何をするんだろう』と不思議な気持ちでした笑)。
しかし、この研修のおかげで、私たち新卒一同、色々な課題にぶつかりつつも前向きな社会人生活をスタートすることができたと感じています。

そして私は思いました。

「この『ふりかえり』の考え方を活用していけば、今後も楽しく働き続けられるような気がする!」

…ということで、今回は「ふりかえり」を通じた働き方についてインタビューを行いました!

【インタビュイー経歴】
冨田 英祐(とみた えいすけ)
通称:えーちゃんさん 
2016年新卒入社。認定スクラムマスターとして、社内のチームビルディングを様々な場面でサポートしている。
2019年4月、新卒向けに「ふりかえりフレームワーク」研修を実施した。(『ふりかえりの研修って一体どんな内容なの…?』と気になった方は、冨田さんご自身のブログもぜひチェックしてみてくださいね!)

そもそも「ふりかえり」って?楽しく働く秘訣はカイゼン思考にあり!

― ふりかえりフレームワーク研修ではありがとうございました!!「『ふりかえり』と『反省』は違う」というお話がとても印象的でした。

冨田 「ふりかえり」と聞くと、一般的には「反省会」みたいなものをイメージしがちですよね。「起こった問題の改善点を探そう!」とか、「問題を起こした人が同じことを再度繰り返さないようにしよう!」というような。
こういうふりかえりは、すごく狭い範囲で問題を考えてしまったり単なる個人攻撃になってしまったりするので注意が必要だと思っています。
良いふりかえりをするためには「カイゼン」思考が大切です。

― 漢字で「改善」じゃなくてカタカナで「カイゼン」なんですね。

冨田 そう。「改善」と聞くと「悪いところを直して良くする」という意味をイメージする人が多いんじゃないかなって思います。つまり、何か問題が起きてはじめてやっと「改善」し始めることができるんですよね。この場合、「問題(悪いこと)を良くしていかなきゃ」という意識が先行するので、目の前の問題にばかり目が向いてしまったり、問題を起こした個人に意識が向きがちになったり…あまりよろしくない雰囲気になってしまいます。
一方で、「カイゼン」には「今行っていることをより上手にできるようにする」という意味も込めているんです。その意味で言うと、今上手くいっていることにもカイゼン策は考えられるはずですよね。
ふりかえりをするうえで、悪かったところを繰り返さないようにするための策を考えることはもちろん大切です。しかし、それと同じくらい、今できていることの再現性を上げるということも大切だと思っています。
出来ていないところばかり見ていたら気も滅入ってしまいますし(笑)

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― カイゼン思考をマスターできれば、できなかったところばかり見て凹むということもなくなりそうです…!他にもふりかえりをするうえで大切にしているポイントはありますか?

冨田 「課題 VS チーム」の構造を作ること、ですかね。
例えば、ふりかえりをする時に「〇〇さんが起こしたこの問題について話し合いましょう」と言ってしまうと、「〇〇さん」ばかりが悪い印象になって、他のチームメンバーが他人事のように感じてしまいかねません。
何か問題が起きた時、それが表出するのは誰か個人の担当領域においてかもしれませんが、それを許した大本の原因については常に考えるべきだと思っています。
例えば「チーム内でのコミュニケーション不足」という問題があった時に、「もっと〇〇さんが積極的に連絡をとるべきだ!」と個人に責任を押し付けるのではなく、「コミュニケーションをとりにくい仕組みになっていたのではないか」とチームレベルで課題を捉えていかないと、抜本的な解決にはなりませんしね。
「チーム全員」の知恵を集めて「課題」と向き合う、という姿勢がとても大切になってきます。
そしてこのふりかえりを行うためには「場づくり」がとても大切です。
「チーム VS 課題」の構造を作るためには、チーム内に一人でも他のことを考えている人がいたり、誰か一人への個人攻撃になってしまったり…といった状況になることを防ぐ必要があります。
まずは、ふりかえりを行う理由や意義を一人ひとりが理解し、そのうえでふりかえりの場に臨めるようにすることが大切です。
やり方に関しても、「前もこうやったから」と思考停止せず、目的に合わせたやり方を毎回考えるようにすると良いですね。「これまで行ってきたふりかえりは本当に適切だったのかな」と検討し直すためのふりかえりをやってみるのも良いと思います。「ふりかえりの『ふりかえり』」という感じで。

―「ふりかえりの『ふりかえり』」ですか…!毎回の「ふりかえり」に目的意識をもって、しっかり場づくりしていくことが大切なんですね。

そのとおり。もう一つアドバイスをすると、物理的にも「チームVS課題」の構造を作っておくと良いと思います。

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ホワイトボードに議題を書き出して、それをチームメンバー皆で眺めるイメージ。
こうすると、自然と目線の方向は「(ホワイトボードに書き出された)課題」に向かって、お互いの顔にはあまり向かなくなります。個人を責め立てるような空気にならないようにするための「場づくり」の工夫の一つです。

「ふりかえり」をめぐる、冨田さんとフィードフォースのちょっと素敵な関係性の話

― ふりかえりって前向きに仕事をするためにもすごく大切なんですね…!冨田さんはどういったきっかけでふりかえりを始めたんですか?

冨田 「今よりもっと楽しくチームで活動するためにはどうすれば良いだろう」と考え始めたのがきっかけです。
私のふりかえり観は「スクラム」という考え方に基づいています。自分の所属しているチームでスクラムに出会い、それを勉強し直していくうちに「スクラムを上手くいかせるためには『ふりかえり』が肝だな」と気づきました。
もともとチームで何かをすることもスクラムの考え方も大好きだったので、ちゃんと正しく理解したかったし、「スクラムの魅力を広められる人になりたい!」とも強く思っていました。

― スクラムとチームへの思いが軸になっているのですね。スクラムといえば、冨田さんは社内で唯一の「認定スクラムマスター」資格の所有者だとお聞きしました!

冨田 「認定スクラムマスター」ってあまり耳なじみのない言葉かもしれませんが、簡単に言うと「『自己組織化されたチーム=スクラム』を育てていく人」って感じです。
資格取得にあたって色々と勉強しましたが、その際会社側からも支援してもらえたのはありがたかったですね。

― 支援といいますと…?

冨田 スクラムを勉強するために本を買って読んだり、社外での勉強会に出たり、他社のスクラムコーチの方からアドバイスをいただいたり…といった資格取得に向けての活動資金を援助してもらえました。直接本業に関係するものではなくても、「勉強しておいで!」という雰囲気があったのも嬉しかったです。

― 個々のやりたいことを会社が後押ししてくれるのって素敵です…!

冨田 そうですね。私自身もただ資格を取得しただけでは終わらず、新卒向けの研修を行ったり社内の各チームのふりかえりを円滑にする手助けをしたりしています。先日の「ふりかえりフレームワーク」研修も、外部で受けたら受講料かかるようなものですしね(笑)
「やりたい!」という思いを会社から後押ししてもらって、そこから生まれた価値を社内に還元していくことで、会社と個々のチームメンバーの関係性も健全なものになっていくんじゃないかな。

― そういう関係性を築いていけるのも、会社全体と個々のチームメンバーが同じ方向を向いているからこそ、ですね!

「ふりかえり」から世界平和へ!冨田さんにとっての「豊かに働く」とは

― 最後に、冨田さんにとっての「豊かに働く」とはどんなことですか?

冨田 自分が楽しく働けるのも大事だけど、自分に関係する人(社内の人たち、取引先の会社の方々)も楽しく働いてくれるような世界で働くことが、自分にとっての「豊かに働く」だと思います。
ふりかえりを通じてのチームビルディングも、「自分がもっと働きやすい環境になるように」というよりは「チームが今よりもっとハッピーになればいいな」の意識でやっていることですしね。
チームで働くこと自体とても楽しいし、楽しいからこそ試行錯誤していくし、その過程での「ふりかえり」で他の人の考え方を垣間見れるのもすごく面白い。
ふりかえりを極めれば世界平和だって目指していけると思っています(笑)

―「楽しい」という思いが根っこにあるの、すごく素敵です!…とはいえ、一般的には「仕事=楽しくない」というイメージもまだまだ根強いように思うのですが…

冨田 「楽しくない」原因が環境にあるなら、場所を変えるのも手だと思います。環境って案外自分の力ではどうにもならない側面もありますし。
ただ、自分の意志で選んだ場所にいるのであれば、選んだことが失敗にならないよう、最大限努力をすることが大切だと思っています。
もし望まない選択肢しかないのであれば「選ばない」ということを「選ぶ」のも一つの選択です。
そんな風に「なんとなく」で働くのは楽しくないと思うので、「ちゃんと選んで、その先で頑張ろう!」という姿勢を持ち続けていたいですね。

― 納得感をもって楽しく働くためにも、「なんとなく」をなくすことが大切なんですね。

冨田 そうですね。「ふりかえり」をするうえでもこの「なんとなく」にはかなり気をつけています。
「ふりかえりをする」という選択の裏には「ふりかえりをしない」という選択肢があって然るべきですし、「ふりかえりをする」という中にも、「いつ?どうやって?」等、色々な選択肢があるはずです。
このような選択肢を考えずに「ただなんとなく」やり続けるふりかえりに対して声かけをしていくのも、認定スクラムマスターとしての役目だと思っています。「これって何のためにやっているんだっけ?」と逐一考えることができるチームは強いですし、修正能力も高まるのでぐんぐん成長していきます。
メンバー全員が「やってよかった!」と思えるようなふりかえりの場を作ることから、「もっともっと楽しく働ける世界」を目指していきたいですね!

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― ありがとうございました!

こうした「ふりかえり」は、フィードフォースのほぼ全てのチームで活発に行われています。ご興味を持っていただけた方は、ぜひ日々の仕事に「ふりかえり」を取り入れてみてください!

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