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【退職者×社長対談】自分がいなくてもフィードフォースは成長できると感じたからこその決断

創業当初からフィードフォースを支え、勤続16年になる取締役 喜多 宏介さんが、このたび退任しました。

そこで、16年間苦楽をともにしてきた代表の塚田とともに、フィードフォースの思い出話をしていただきました。

フィードフォースが成長したからこそ出てきた、卒業という選択

喜多 塚田さん、16年間ほんとうにお世話になりました。

塚田 こちらこそ、ほんとうにお世話になりました。多分社員のみんなは、「なんでやめるんだろう?」と気になってると思うので、その話からしましょうか。

喜多 そうですね。自分としては、「退職」というよりは「卒業」という感覚でいます。フィードフォースに入社して16年間、ほんとうにいろいろなことを経験してきました。

営業組織のマネジメント・新サービス立ち上げ・プラットフォームとの協業・上場準備等々……。その中で役割を固定せずにやれることはなんでもやってきたつもりです。自分がなんでもやらなければ、という責任感も感じていました。

それが今では、ボードメンバーやマネジャーもタレントがそろってきています。メンバーも着実に成長しているし、もう喜多がいなくてもフィードフォースグループは十分成長できるようになったと感じています。

そこで、「やめたい」というよりは、「そろそろ卒業するタイミングだと思います」と塚田さんに何度か相談をして、卒業を決めました。

昔のフィードフォースだったら、「自分がいないとダメだ」と感じていたかもしれませんが、いまはそんな気持ちはありません。フィードフォースが順調に成長しているからこその今回の決断ですね。

16年間働きつづけてくれたことに感謝

塚田 ほんとうにメンバーは育ち、タレントもそろってきましたね。安心して事業やマネジメントを任せられるメンバーも増えましたし、次にそうなるであろう若手社員も育っています。

やめてしまうことはさみしいですが、安心して卒業できる体制にはなっていると思います。
やめたからといってそれで縁が切れるわけではありませんし、今後いっしょに仕事することだってあるかもしれませんよね。

喜多 そうですね。やめてからも、フィードフォースを応援する気持ちはまったく変わりません。

塚田 それに、「スタートアップに入社して16年働く」というのは世間的にみたらかなり長いですよね。正直、16年働くなかで苦しい時期もあったと思います。そんななかでこんなに長く働いてくれてありがとうという感謝の気持ちでいっぱいです。

喜多 確かに、うまくいかないことのほうが多かったですよね。入社して数年間は特に。

「会社を上場させたい」という想いで設立0年のフィードフォースに営業担当として入社

塚田 16年前、入社当時は RSS Suite(フィードフォース創業時に提供していた RSS 統合管理ツール) の営業としてでしたっけ?

喜多 そうです。フィードフォース設立直前くらいのときに、転職サイトでスカウトメールを受け取って、面接に行ったのを覚えています。

塚田 なつかしいですね。当時はスカウトメールもぼくが送っていました。でも当時、どうして転職サイトに登録していたんですか?

喜多 2006年当時は、ITベンチャー企業が台頭しはじめたころでした。特に印象深かったのがドリコムさんの上場です。設立わずか数年で上場、と多くのメディアに取り上げられているのをみて「ベンチャー企業がこんなにも世の中にインパクトを残せるのか」と衝撃を受けました。

それらのニュースをみて、「自分もITベンチャーに入って、世の中にインパクトを残すぞ」「入った会社を上場させるぞ」と思って、転職活動をしていたんです。

塚田さんは面接のとき、「数年後には上場を目指す」と言っていたので、ここだ!と思って入社を決めました。

入社してしばらくは、思うように売上が伸びなかった

喜多 そうしてフィードフォースに入社したんですが、入社してからしばらくの間は売上が思うように伸びませんでした。

全社員が閲覧できる売上数値をみると、思うように伸ばせてないのが一目瞭然だったんです。
それをみて、「何でこの数値で会社がやっていけているんだろう」とか「どうして給料をもらえているんだろう」ととにかく不思議に思っていました。

塚田 SaaS……当時の呼び方でいうと ASP が黒字化するには時間がかかりますからね。確かに、設立からかなりの期間は苦しい時期がつづいていたと思います。
でも、いまこうして思い出してみても、業績で苦しかったことの記憶ってほとんどないんですよね。組織づくりで大変だったことは覚えているんですが。

喜多 そこが塚田さんのすごいところで、経営的な危機感というか、やばい感じを一切社員に感じさせなかったんですよね。だから、社員は目の前の仕事に集中できてたんだと思います。

ビジョンと事業に可能性を感じていたので、やめたいと思ったことはなかった

塚田 喜多が入社して数年間は、売上が思うように伸びず、上場の手ごたえなんてまったく感じられない期間だったと思います。会社を上場させたいと思って入社してくれたのに、そこで転職しようとは思わなかったんですか?

喜多 転職はまったく考えませんでしたね。塚田さんの考えやビジョンには常にワクワクしていましたし、提供しているサービスにも可能性を感じていましたから。

幸運なことにお客さまにも恵まれて、新サービスをお客さまのところへ提案に行くと、「こんどはどんな新しいこと提案してくれるのか」って喜んでくれるんですよ。

フィードフォースが新しいサービスをつくって、それでお客さまが喜んでくれる、という手ごたえを得られていたので、仕事は楽しかったです。
そのころには営業チームのマネージャーとして売上をつくる責任を負っていたので、途中で逃げ出すのはいけてないな、とも思っていました。

転機は2012年。核となるサービスの誕生と新卒一期生の入社

塚田 こうしてふりかえってみると、うまくいかなかったことばかり思い出されます。2006年から2012年までの6年間は、いわばピボットをずっと繰り返していた期間ですもんね。

喜多 2012年にいまのフィードフォースの核となっている ソーシャルPLUSDF PLUS をリリースして、そこからようやくうまくいき始めましたね。

塚田 そうですね。それまであったサービスの売上に、ソーシャルPLUSなど新規サービスの売上が乗って、経営の形がようやく整ってきたのがそのころだったと思います。

喜多 2012年といえば、新卒一期生が入社した年です。新卒一期生の入社も、大きなできごとというか、印象深いです。確か、ソーシャルPLUSは彼らが内定者だったころに、塚田さんと新卒一期生とでつくったサービスですよね。

塚田 そうですね。いまのソーシャルPLUSの原型は、ぼくと内定者時代の彼らとで考えました。

喜多 たしか、海外の類似サービス調査を依頼していたと思いますが、学生とは思えないリテラシーの高さでスムーズに塚田さんとやりとりをしていたのを覚えています。

新卒一期生のような、優秀で向上心が高い若者が入社してくれたおかげで、社内の雰囲気もすごくよくなった気がします。そういう意味でも、2012年がひとつの転機でしたね。

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上場前日は眠れなくなるくらいうれしかった

喜多 その後も、フィードフォースとして初めての広告事業を始めたり、人事のなべはるが加入して組織面が強化されたり、CFOの西山さんが加入して財務面が強化されたりと、挙げていったらきりがないほどいろいろなことがありました。

塚田 そうですね。なかには、うまくいかずに陽の目を浴びないままなくなっていった取り組みも含めて、ほんとうにいろいろなことがありました。
そんななかでも、2019年に当時の東証マザーズに上場したのは感慨深かったですね。上場したときは、どう感じましたか?

喜多 すっごいうれしかったんですよ。上場の前日、きっと寝れないだろうと思って、早めにお酒を飲んで寝たらものすごい早起きしてしまって。早朝から東京駅に到着してしまうくらいうれしかったです。
塚田さんは、あまりうれしそうには見えなかったですけど。

塚田 いやいや、すごくうれしかったですよ。上場までのスケジュールがキツかったので疲れは出てしまっていたかもしれませんが。
ホっとしたというか、喜多をはじめとして、長くいっしょにやってくれた人たちに恩返しをしたいと思っていたので、それが果たせてよかったな、と感じていました。

塚田さんらしい挑戦する姿勢を、今後も忘れないでほしい

喜多 こうしてふりかえってみると、いろいろなことがありましたね。思い出話もずっとつづけられそうです。

塚田 せっかくの機会なので、わたしやフィードフォースへのメッセージはありますか?

喜多 塚田さんらしい経営スタイル、信念は継続してほしいと思っています。インターネットが好きで、プロダクトをつくるのが好きで、挑戦しつづけるのが、塚田さんらしさだと思います。
これまで、そういった塚田さんらしい信念やビジョンに触れることで、ワクワクして楽しく取り組むことができました。そこは変わらずにいてほしいですね。

塚田 そうですね。これまで20年以上、そこは変わらなかったのできっとこれからも変わらないと思います。

今回のことをチャンスとらえて、挑戦してほしい

塚田 最後に、フィードフォースグループの社員にメッセージはありますか?

喜多 塚田さんの信念やビジョンは、実行する人がいないと成立しません。フィードフォースグループはこれからも新しいことにどんどん挑戦していくはずですから、「自分が実行する」という気概をもって取り組んでほしいです。

それと、わたしの退任をぜひチャンスととらえてほしいなと思います。上のポジションが空くわけですし、責任ある仕事にたずさわるチャンスは増えるはずです。
フィードフォースは、やりたいと手を挙げればチャンスをつかみやすい会社なので、どんどん挑戦してほしいですね。

塚田 そうですね。やめることはもちろんさみしいですが、残った社員にとってはチャンスともいえます。やめるからといって関係性がそこで切れるわけではありませんしね。
あらためて、16年間いっしょに働いてくれて、ほんとうにありがとうございました。

喜多 こちらこそ、ほんとうにお世話になりました。またどこかでお会いしましょう!

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