「家庭あっての職業人」限られた時間で成果を出すためにパパエンジニアが取り組んでいること
フィードフォースnote編集部がいま話を聞きたい人の話を聞くインタビュー企画!今回は、4ヶ月の育休から復帰したエンジニアの小坂さんに話を聞きました。
2020年9月に二児のパパになった小坂さん。エンジニアとして働きながら、自らを「家庭あっての職業人」と話す小坂さんに、限られた時間の中で仕事の成果を出すための極意を聞いてみました。
育休をとるのは当たり前。事前の情報共有で育休への不安はゼロに
—小坂さんは2021年1月に育休から復帰していますが、現在どんなライフスタイルを送っていますか?
小坂 我が家は妻と4歳になる娘、2020年9月に生まれた息子の4人家族です。日中は妻が仕事に出かけて娘は保育園。わたしは自宅で息子をみながら仕事と家事をしています。仕事は週2〜3日、1日5時間ほどの時短勤務です。
(取材時点)
—育休を取得することに不安はありませんでしたか?
小坂 フィードフォースでは、男性も当たり前のように育休を取りやすい雰囲気があると思います。社内で男性社員が育休を取るのはわたしが初めてではありませんし、つい最近、別の男性エンジニアが1年間の育休期間を終えて復帰してきました。それにもう1人、別チームのリードエンジニアも3ヵ月の育休に入ったところです。
また、わたしが育休を取得するにあたって他のチームからエンジニアが1人バックアップに入ってくれました。
バックアップに入るエンジニアも含めて、わたしが不在の間の開発はどうするか、復帰後はどう進めるかのコミュニケーションをしっかりとれたので育休を取得する不安はありませんでした。
もう1つ、人事面でのサポートもありがたかったですね。復帰直前に人事部が面談をしてくれて、育休中に会社がどう変わったか詳しく聞けたので、心理的にも安心しました。
限られた時間で高い成果を。精度の高い見積もりと適切な期待調整
—家事、育児をしながらの時短勤務ですが、限られた時間の中で成果を出すためにどんなことを意識していますか?
小坂 チームが取り組むべき課題と期限を明確にすることです。当たり前ですが、解決すべき課題があいまいなままではいくら手を動かしても成果になりませんから、まずは何が課題になっているのかを明確にして、チームみんなの認識を合わせるとこから始めています。
保育園お迎えの時間が来ればどうしたって退勤しなければいけないので、「ここまでやったので、続きは明日やります」と割り切ることも必要です。そうしつつも予定した開発スケジュールを守るためには、見積りの精度を高めなければいけません。
そのために、チームのメンバーと課題を並べて「これは何時間ぐらいかかる課題だ」「こっちは何日ぐらいかかりそうだ」というふうに、課題の内容と所要時間の両方を見ながら優先付けをしています。
新しい技術の習得と本業を両立させて、子育てしながらエンジニアとしても成長する
—よく、エンジニアは仕事時間外も勉強が必要といわれますが、家事と育児をしながらどうやって勉強時間を確保しているんですか?
小坂 平日も休日も子どもの相手をして疲れてしまうので、毎日決まった時間を確保して勉強することは正直できないですね。だからこそ、技術的なチャレンジは仕事の枠内でするようにしています。
チームにある課題を解決するための手段と習得したい技術を結び付けられないかを考えて、通常業務と技術習得を平行して行うんです。
当然、期限までに開発を終わらせなければいけないので、新しい技術を使用することはプレッシャーに感じることもありますが、それこそスケジュールの見積もり精度を高めて余裕を持って取り組むようにしています。
また、新しい技術に取り組むときはプロダクトマネージャーたちも不安に感じていると思うので、彼らに納得してもらえるようなマイルストーンを作り、「これを達成できたらこの懸念が解消される」「次のステップに進める」といったメリットを提示して合意形成をしておくことも大切です。
SlackやTrelloで家事タスクを共有!夫婦で認識をあわせて仕事と家庭を両立
—家庭と仕事を両立するために工夫していることはありますか?
小坂 以前から家事はできるだけ夫婦で分担してやっていましたが、娘が生まれたことをきっかけに、家事分担や情報共有のためにいくつかのツールを導入しました。情報共有にはSlack、買い物リストの共有にはGoogleアシスタント、タスク整理にTrelloや物理カンバンを使うといった具合です。
(冷蔵庫に貼ってある物理カンバン)
当時、妻がベンチャー企業に転職して仕事でいろいろなツールを使うようになり、家庭でも取り入れてみようと提案してくれたんです。今でも、たとえばどちらがお迎えにいくか、ミルクをあげるか、などをSlackで共有をしています。
家族で生活をしているので、家事や育児はどちらか一方だけの責任ではなく、2人の責任だという認識でいます。家事分担や情報共有については常に妻と話し合い、アップデートしていますね。
家庭あっての職業人。「育休を取ってほんとうによかった」
—家庭と仕事を両立するうえで大切にしている思いって、なんでしょうか。
小坂 わたしは「家庭あっての職業⼈」という気持ちを大切にしています。いくら仕事に全力投球していても、家族に残念な思いをさせてしまっては胸を張ることはできないなと思うんですよね。
まずは家族が楽しく暮らせて、そのうえで仕事も楽しいのが理想です。加えて、家族がそれぞれのやりたいことを実現できたらもっといいですね。
—最後に、小坂さんは実際に育休を取ってみて、いかがでしたか?
小坂 乳幼児の相手は、娘が生まれたときに一度経験していますが、新生児の頃からずっとつきっきりで一緒にいるというのは初めてでなかなか良い経験でした。
赤ちゃんて、日々できることが増えるんですよね。聞いたことがないような変な声を突然出すようになったり。そういうのを間近で見られて、本当におもしろいですね。
あらためて、わたしは育休を取ってほんとうによかったなと思います。これから子どもが大きくなっていくうえで、こんなふうに長い時間子どもと一緒にいられたことは、ずっと思い出に残っていくんだと思います。
ー共感することばかりのお話でした。本日はありがとうございました。
(インタビュー・文:宮原 智子)